病理診断科

担当しているがん

病理診断科では、患者様の組織や細胞をみることで、がんの診断をしています。

「がん」は、あらゆる悪性腫瘍の総称で、実に多種多様な病変を含んでいます。細胞は顕微鏡でみると核と細胞質からできており、がん細胞では核が大きかったり、不整な形だったり、細胞質も変化します。細胞の並び方にもさまざまなパターンがみられます。病理診断科では、それらの細胞と組織をみることで「がん」の診断を行っています。


「がん」は多様

当科の診療の特徴

各診療科では、がんを疑うと、内視鏡検査や体の外から細い針を刺す等で病変組織の一部をとります (生検)。検体内に「がん」があるか、もしあるのなら、一体どんな「がん」かわかります。また、手術により切除された組織では、どのような種類の腫瘍がどのように広がっているのかがわかります。そして、細胞の場合は臓器の表面から剥離した細胞だけをとってきて、「がん」の有無をみることもあります。がんは種類や進み具合によって、対応の仕方や治療が異なってくるので、診断はその後の治療方針選択にとって大切な役割を持っていますし、治療後の効果を判定することもあります。また、がん組織を用いたゲノム検査により有効な治療薬がみつかることがあります。

このように病理診断科では、疑いの段階から、がんの診断を確定し、治療等に結びつけることが仕事です。当院で扱われる多くの「がん」は、病理の検査室に運ばれ、特殊な工程をへて、顕微鏡で観察できるガラス標本に生まれ変わります。細胞はいろいろですが、直径10μm(1mmの1/100)程度の大きさであり、詳しく観察するためには、4-5μmの極薄のスライスを切って、ガラスに貼り付け、染色します。均一に薄いきれいな標本を作ることは臨床検査技師の仕事です。できた標本を病理診断医が顕微鏡で見て診断をおこなっています。細胞検体は細胞検査士と細胞診専門医が協力して診断しています。


極薄のスライスを作製


顕微鏡で診断

患者様への一言

当院は病理専門医3名、臨床検査技師(細胞検査士)5名が勤務しています。患者様とは直接お目にかかることはほとんどありませんが、臨床各科から送られてくる患者様の病変に適切に対応するため、病理診断の最新の知識と技術を学び、時代に即したがんの病理診断を行なっています。

中国の古典「孫子」のなかに、「彼を知り己を知れば…」という有名な一節がありますが、相手の様子や味方の情勢をしっかりわかっていることが大事だということです。「彼を知り」ということは「がんを知る」とよみかえることができると思います。病理診断科でわかった「がん」についての情報は,報告書としてカルテに掲載されるとともに、外科、内科など各科のカンファレンスにも参加するなど連絡を密にして、「がん」の特徴がよく主治医やスタッフに伝わる様に、いつも心がけています。

がんの治療には、患者様がどのような「がん」か、そしてどんな状態であるかをよく調べることが非常に大切です。なにかと大変だと思いますが、ご協力をお願いします。

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