当院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、口腔(こうくう)、鼻腔(びくう)、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、唾液腺(だえきせん)※、甲状腺(こうじょうせん)のがんを対象としています。甲状腺のがんは外科が担当することもあります。
細い管状のファイバースコープ(内視鏡)を口や鼻から通し、患部を観察します。必要であればCT検査※1やMRI検査※2も行い、診断します。CT検査、MRI検査は深部でのがんの広がりや転移の有無などを調べることができます。
当院では積極的に手術療法を行っています。中讃・西讃圏域では耳鼻咽喉科・頭頸部外科の手術療法に対応する病院が少なく、当院は中心的な役割を担っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科の領域は、QOL(生活の質)に大きく関わる部位です。呼吸、味覚、発声など生きる上で重要な機能が集まっています。
手術をすれば機能障害は避けられません。そのため、機能障害を少しでも減らせるように再建手術にも取り組んでおり、年間10件ほどの症例があります。
再建手術は、がんの切除により失われた部分に皮膚や筋肉、腸管など他の組織を移植して修復する手術のことです。当院の形成外科と連携し、がんの切除と同時に再建手術を行います。
また、進行したがんの場合は、化学療法(抗がん剤療法)と放射線治療を併用した化学放射線療法を行うこともあります。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科、形成外科、看護師で合同カンファレンスを開催し、症例を研究しています。看護師は患者様に一番近い存在です。手術後の患者様の状態を把握していなければ、適切なケアも困難となります。カンファレンスにより、最適な治療や手術後のサポートにつなげています。