乳腺外科

当科の診療の特徴

当香川労災病院は、日本乳癌学会認定研修施設であり、香川県の中西讃地区における中核病院として年間約120-150人の乳がん患者様の治療を行っております。診療は、乳腺専門医(+乳腺認定医、マンモグラフィ検診読影試験有資格者、乳がん検診超音波認定医)を中心としたスタッフを中心に診療を行っており、専門外来として週1回乳腺外来を開いております。

乳がん診断に重要なマンモグラフィ、乳腺超音波検査は、マンモグラフィ技術部門認定技師および超音波認定技師によって精密に行われており、必要に応じて、トモシンセシスによる乳腺断層撮影、MRIを用いることでより正確な診断を行うようにしております。

乳がん手術はこれまで2500例以上の経験をもとに、症例に応じて、乳房温存手術、乳房切除術などの術式を選択しており、乳房温存手術の局所再発率は1%程度と非常に少なく、腋窩(わきの下)のリンパ節郭清に関しては、上肢浮腫の防止目的にてセンチネルリンパ節生検(色素法による)を行い、同定率約93%、偽陰性率約3%とこちらも良好な成績を認めております。

乳がん治療は、手術のみならず、補助療法が重要ですが、当院では乳がん看護認定看護師、がん化学療法認定看護師が治療に積極的に携わっており、適切なケア、支持療法を行うことで、術前、術後の抗がん剤治療を含む最新の治療が、できるだけ苦痛なく、予定通りに完遂できるようにしております。

近年、米国の有名女優(アンジェリーナ・ジョリー)で一躍、その名が知られるようになりました、遺伝性乳がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群:HBOC)ですが、日本人においても乳がん患者の数%は該当することがわかってきております。倫理的な問題もありますので、ご本人の卵巣がん発症、家族の方のがん発症のリスクなどを十分にお話しした上で、BRCA遺伝子検査の保険適応がある患者様に対しまして、もし、検査の希望があれば行っております。

残念ながら、再発され、標準治療が終了された患者様には、がんゲノムプロファイリング検査(ゲノムパネル検査)をがんゲノム診療関連病院として提供することができます。可能性は決して高くありませんが、保険適応外の新薬の治験が受けられる体制も整えています。

また、転移再発時の緩和医療に関しましては、緩和外来、緩和ケア認定看護師、がん性疼痛認定看護師を中心に、疼痛に対する薬物、放射線治療を行い患者様がよりよい生活(QOL)を保てるようにしております。

患者様への一言

中西讃地区の中核病院として、手術を行うのみでなく、がん地域連携クリティカルパス(わたしのカルテ)を用いて地域の開業医の先生とともに補助療法から経過観察まで幅広く患者様の診療、ケアを担っております。
乳がんは日本人女性11人に1人は罹患する身近な病気ですが、早期に発見されれば治癒する可能性が高い疾患でもあります。
2年に一度の乳がん検診は、定期的に受けてください。そして、ご自身による定期的な乳房のセルフチェックも行ってください。もし、しこり、くぼみ、乳汁分泌など異常が見られましたら、早めに受診されることをお勧めいたします。

0877-23-3111 初診 8:15-11:00
再診 8:15-11:30
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