脳神経外科

診察表

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脳神経外科のご紹介

当院では、脳血管障害(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)、脳腫瘍、神経外傷、脊髄脊椎疾患を中心に脳神経外科疾患全般を扱っております。

現在5名の医師(脳神経外科専門医4名、後期研修1名)で診療にあたっています。

脳血管障害に対し24時間体制で診療を行っており、発症4、5時間以内超急性期脳梗塞のrt-PA治療や血栓回収療法にも対応しております。また、クモ膜下出血に対する開頭クリッピング術やカテーテルによるコイル塞栓術、脳出血に対する開頭手術なども行っております。

急性期以外でも脳腫瘍に対する手術、放射線治療、化学療法を行っており、適応症例に対し定位放射線治療を行っております。また、内視鏡を用いた下垂体手術も耳鼻科医とコラボして行っております。

脊髄脊椎疾患に対しても脊髄学会指導医を中心に手術を行っており、末梢神経に対しても適応症例に対し積極的に手術を行っております。

また、当院は一般社団法人日本脳卒中学会より一次脳卒中センター(PSC)に認定されています。 一次脳卒中センター(PSC)とは、地域の医療機関や救急隊からの要請に対して、 24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療を開始できる施設です。

手術実績

2019年 2020年 2021年
直達術 開頭クリッピング術 27 21 26
脳腫瘍摘出術 20 18 21
内視鏡下経鼻手術 2 7 3
脳腫瘍生検 2 4 0
脳出血 15 22 22
頭部外傷 9 14 13
外減圧術 6 5 7
頸動脈内膜剥離術 8 5 15
バイパス術 1 0 9
頭蓋形成術 7 17 15
シャント術 10 16 17
脳室ドレナージ術 7 13 7
穿頭洗浄術 53 53 53
神経血管減圧術 1 0 1
脳動静脈奇形摘出術 0 1 1
機能関連手術(DBS) 0 1 0
その他 9 10 16
脊椎脊髄疾患 88 92 123
血管内手術 脳動脈瘤コイル塞栓術 10 14 11
CAS 11 4 7
急性期血行再建術 15 9 16
栄養血管塞栓術 3 3 1
脳動静脈奇形 1 1 1
その他 0 0 2
合計 305 330 387
t-PA 24 38 41
定位放射線治療 10 9 10

脳腫瘍

開頭による腫瘍摘出術は年平均30〜35症例実施し、内訳は神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、聴神経鞘腫、転移性脳腫瘍、その他でした。当科では、近年、内視鏡下経蝶形骨洞下垂体腫瘍摘出術を取り入れて、侵襲を低減してかつ摘出に効果をあげています。また、手術、定位的放射線照射療法、化学療法を組み合わせる治療も行っています。

脳血管障害

破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)

頭部CTでくも膜下出血を確認して直ちに脳血管撮影あるいは3D-CTAにて動脈瘤の部位や形態を確認します。緊急手術にて開頭によるクリッピング術か脳血管内手術による動脈瘤塞栓術を行っています。どちらを選ぶかは、重傷度、動脈瘤の部位、形態などを総合的に判断しています。例年、開頭クリッピング術を行った例は10〜20症例、コイル塞栓術は5〜10例です。

未破裂動脈瘤

近年、MRAの検査が脳ドックや脳血管障害(脳梗塞や脳内出血)の方に行われるようになり、未破裂動脈瘤が以前よりより発見されるようになりました。

当科では、未破裂脳動脈瘤の自然経過や手術適応を説明して開頭による脳動脈瘤クリッピング術や脳血管内手術によるコイル塞栓術を行っています。例年、開頭によるクリッピング術5〜15例、コイル塞栓術は5〜10例です。

脳動静脈奇形

症例は少ないのですが、脳動静脈奇形は年間1~2例経験しています。多くは、脳内出血で発症するか、けいれんを起こして搬入され、原因を調べると動静脈奇形が見つかることがあります。

治療に関しては、部位や大きさ、また、導出静脈の数や流量をもとに手術による摘出を行ったり、放射線治療を選択したり、塞栓術と手術、放射線治療を合わせて行うといった方法をとっています。

脳梗塞

当科では脳卒中専門医が3名います。発症4.5時間以内の脳梗塞患者様(適応ありの場合)においてt-PAと投与を行っております。例年、10〜20例の症例にt-PA投与を行っております。また、脳血管内治療専門医が2名おり、閉塞血管の再開通療法(血栓回収療法)も適応を考慮行っております。例年10例前後の症例に行っています。

脳梗塞は発症早期であれば、可能な治療もありますので発症1〜2時間以内に受診することが非常に重要です。

頸部内頚動脈狭窄症

当科では古くから頸部内頚動脈狭窄に対し頚動脈内膜剥離術を行ってきました。これまで400例を超える手術経験があります。

最近は頚動脈狭窄に対しステント留置術も全国的に行われており、当院でも行っております。内膜剥離術とステント留置術は患者様や病変の状態も検討し治療方針を検討しています。

頭蓋内外の動脈閉塞、狭窄症-浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術

頭蓋内・外で動脈の閉塞や狭窄があり、明らかに脳実質への血流が落ちているときに血管のバイパスを作って、血流を増やす方法です。以前、この方法はその効果が否定される論文が出て、ほとんど行われなくなっていましたが、この手術を行うべき方を選べば、今なお有用な方法であると考え、行ってきました。

当科では、これまで300例を超す手術を行っており、例年、7〜8例の症例に行っております。前述の血栓内膜剥離術と同様、血行再建の重要な一つの方法と考えています。

脳内出血-定位的血腫吸引除去術

脳卒中の中の脳内出血に対しては、出血量が小さいものはそのまま経過をみます。

大きいものまた、麻痺が強いものなどは、開頭による血腫除去術、あるいはエコー装置で血腫の位置をみながらチューブで穿刺して血腫を除去する方法も行っています。

機能的脳神経手術

三叉神経痛、顔面けいれんは、頭蓋内で脳神経に脳血管が圧迫して起こる病気です。これを顕微鏡下で圧迫部分を外し、症状をとる手術で微小血管減圧術といいます。毎年、数例の方を手術しています。

外傷

頭部打撲などによる外力で引き起こされた頭蓋内出血に対して、緊急手術や慢性期におこる慢性硬膜下血腫に対しても手術を行っています。急性頭蓋内出血は例年、10〜15例、慢性硬膜下血腫は50〜70例手術いたしております。

脊髄・脊椎疾患

当科では従来、脊髄脊椎、末梢神経疾患の治療に力を入れて参りましたが、2016年より脊髄専門外来を設けて以来、紹介患者数、手術件数も増加しております。

対象としている疾患は、

  1. 頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア
  2. 腰部脊柱菅狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアといった有病率の高い疾患
  3. 後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症
  4. 頭蓋頚椎移行部疾患:環軸椎亜脱臼、歯突起骨折など
  5. 脊髄腫瘍(髄内、髄外、硬膜外)
  6. 脊髄空洞症、キアリ奇形
  7. 手根管症候群、足根幹症候群などの末梢神経障害にも対応可能です。

手術用顕微鏡を用いたマイクロサージャリー技術を生かし、神経保護を第一に考えた安全性の高い治療を目指しております。

その他, 腰椎椎間板ヘルニアの患者様に対し ヘルニコア注や 全内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出手術 (FELD: Full-endoscopic Lumbar Discectomy) も積極的に行っています。

手足のしびれ・いたみ、歩きにくさなどを感じたら、脊髄神経外科外来の受診をご検討ください。脳疾患を十分に除外した上で診察させていただきます。

脳血管内手術

脳血管内手術は、前述したように破裂・未破裂脳動脈瘤に対してコイル塞栓術を、また、頸部内頚動脈狭窄症に対してはステント留置術、硬膜動静脈瘻に対する経静脈的塞栓術、経動脈的塞栓術も行っています。急性期の脳血管障害(動脈閉塞や狭窄)にもカテーテルによる治療が推奨される場合においては緊急の脳血管内治療を行っています。

実際の治療には、脳血管内治療学会専門医が治療にあたっています。例年25例前後の治療を行っております。

その他の疾患

顔面けいれんに対するボトックスの局所注射、末梢性顔面神経麻痺に対する治療、パーキンソン氏病に対する薬物療法など神経内科的な疾患も他科と相談しながら出来る範囲で行っています。

当院脳神経外科で扱っている疾患や治療、手術について説明いたしました。相談したいことがあれば、外来受診されて担当医にお聞きください。

担当医師

平下浩司ひらしたこうじ

役職 副院長
脳神経外科部長(兼)
専門 脳神経外科全般・脳卒中の外科・定位的放射線療法
所属学会・認定資格等 日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
脳卒中の外科学会技術指導医

柚木正敏ゆのきまさとし

役職 脊髄神経外科部長
専門 脊椎脊髄外科・脳神経外科全般
所属学会・認定資格等 日本脳神経外科学会脳神経外科 専門医
日本脊髄外科学会 指導医、代議員
脊椎脊髄外科専門医
日本脊髄障害医学会 評議員
低侵襲・内視鏡脊髄神経外科研究会
日本脳卒中学会 指導医

馬越通有うまこしみちあり

役職 脳神経外科部長心得
専門 脳神経外科全般
所属学会・認定資格等 日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血液内治療学会
脳血栓回収療法実施医

畝田篤仁うねだあつひと

役職 脳神経外科副部長
専門 脳神経外科全般
所属学会・認定資格等 日本脳神経外科学会専門医
バイオインフォマティクス技術者認定試験合格

林聖矢はやしせいや

役職 脳神経外科医師
専門 脳神経外科全般
所属学会・認定資格等

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