生体検査

心電図検査

12誘導心電図(安静時・マスター運動負荷)

12誘導心電図は、心臓の筋肉が興奮する際に生じる電気的活動を、身体の表面に置いた電極で記録します。不整脈、心房・心室の肥大、狭心症や心筋梗塞、電解質異常、薬物の作用、急性心膜炎などの判定に役立ちます。
マスター運動負荷は、階段昇降で心臓に負荷をかけることにより、安静時心電図では判定が困難な、虚血性心疾患や不整脈の判定に用いられます。

検査の流れ

12誘導心電図(安静時)

  1. 上半身と手首・足首を出してベッドに仰向けに休んでいただきます。
  2. 両手首と両足首に4個のクリップ電極、胸部に6個の吸盤電極をつけて記録します。
  3. 記録中は力を抜いてリラックスし、動かないでください。記録は20秒程度で終わります。

12誘導心電図(マスター運動負荷)

  1. 運動前に安静時12誘導心電図を記録します。
  2. 3分間(もしくは4分半)、一定の速さで階段の昇降をしていただきます。
  3. 運動後すぐに12誘導心電図を記録し、安静時心電図と比較します。

ホルター心電図

ホルター心電図検査では携帯用の小型心電計を用いて、長時間(24時間)心電図を記録します。長時間記録することにより、通常の心電図では把握できない日常生活における心臓の動きを調べ、不整脈や狭心症などの疾患がないかを調べることができます。

検査を受けられる患者様へ

  • 検査開始後は、入浴やシャワーはできません。検査の前に済ませておいてください。
  • 検査を受けられる際の衣服はウエスト部分がゆったりとしたものをご着用ください。
  • 電気や電磁の強い場所への出入り、電気毛布・ホットカーペットなどの使用は、検査に影響しますのでお控えください。
  • 検査中は、シール状の電極をはがさないでください。
  • 心電図を記録する携帯用の小型心電計を携帯ケースから取り出したり、ふたを開けたりしないでください。
  • 電極や小型心電計は精密機器ですので、落としたり強くぶつけたりしないでください。また、水に濡らさないように十分にご注意ください。
  • 検査中の日常行動の記録ノートをつけていただきます。行動・症状の内容を正確に記入するようにしてください。
  • 検査中に何らかの自覚症状があったときは、心電図についている記録用のスイッチを押してください。時刻が記憶され、解析・診断に反映されます。
  • 睡眠中に寝返りをうったり、うつぶせになったりしても検査に影響はありません。いつもと同じようにゆっくりお休みください。
  • 検査中に心電計から異常な音が出たり、胸の電極が外れてしまったりなど、何か困ったことや分からないことがありましたら遠慮なくご連絡ください。

超音波検査

超音波検査は、超音波の反射波を利用して、臓器の形や大きさ、内部の様子、血流状態を画像として描き出す検査です。比較的短時間で非常に多くの情報を効率・効果的に知ることができ、検診などのスクリーニング検査からより精密な検査まで行うことができます。また、超音波検査は痛みや不快感がなく、放射線を用いないため妊娠の可能性のある方や、妊婦さんでも受けることができる安全な検査とされています。検査時間はおよそ20~30分です。

腹部超音波検査

この検査では、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの腹腔内臓器を検査します。
この検査により、肝炎や脂肪肝、肝硬変や肝腫瘍などの肝臓疾患、胆石や胆のうポリープ、膵臓や脾臓の腫瘍、腎臓ののう胞など様々な疾患について調べることができます。

検査を受けられる患者様へ

検査は午前中に行われるため朝食は取らずにお越しください。
少量の水分であれば、検査の1時間前まで飲んでもかまいません。

心臓超音波検査

心臓の大きさ、心臓の壁(心筋)の厚さや動き、弁の状態や動き、血液の流れに逆流や乱れがないかなどを調べることができます。この検査により、心肥大や弁膜症、心筋梗塞などの他に、心臓のまわりに水がたまっていないかなどもわかります。検査時間は20~30分です。

検査を受けられる患者様へ

食事の制限はありません。
上半身の服は脱いでいただきますので、脱ぎやすい服装でお越しください。

乳房超音波検査

超音波検査装置で乳房全体を観察し、腫瘤像の有無、腫瘤像を形成しない病変、乳管の拡張像や乳管内病変などを検出し診断するものです。特に、乳腺組織が豊富な若い患者様においては、マンモグラフィよりも超音波検査が有効とされています。この検査では、線維腺腫などの良性腫瘍、乳がんなどを見つけることができます。検査時間は20分程度です。

検査を受けられる患者様へ

食事の制限はありません。
上半身の服は脱いでいただきますので、脱ぎやすい服装でお越しください。

甲状腺超音波検査

甲状腺の大きさや内部の状態を観察することにより、慢性の甲状腺疾患や良性腫瘍、がんなどがないか検査を行います。バセドウ病や慢性甲状腺炎(橋本病)、腺腫様甲状腺腫や濾胞腺腫、甲状腺がんなどを見つけることができます。検査時間は15分程度です。

検査を受けられる患者様へ

食事の制限はありません。
首のまわりが出しやすい服装でお越しください。

頸動脈超音波検査

頸動脈の状態を見るために首に超音波をあて、血管の走行や血管壁の厚さやプラークの有無、血流の状態などを調べて、動脈硬化の程度を知ることができます。検査時間は20~30分程度です。

検査を受けられる患者様へ

食事の制限はありません。
首のまわりが出しやすい服装でお越しください。

下肢血管超音波検査

下肢血管超音波検査は、脚部にある深部静脈と呼ばれる血管にある血栓(血のかたまり)を探るのに効果的な検査です。太ももからくるぶしにかけて動脈や静脈の流れが順調か、血栓がないかを検査します。この検査により、歩行時の足の痛みやしびれの原因となる閉塞性動脈硬化症の有無や、脳梗塞、足のだるさ・むくみの原因となる深部静脈血栓や静脈瘤の有無と原因を知ることができます。

呼吸機能検査

大きく息を吸ったり吐いたりして、肺の機能を評価する検査です。正確に調べるために、精一杯吸ったり吐いたりしなくてはなりませんので、患者様にご協力していただくことが必要となります。年齢、性別、身長、体重から算出された予測肺活量に対して、肺活量が何%であるかを調べたり(%肺活量)、最大に息を吸い込んでから一気に吐き出すとき、最初の1秒間に何%の息を吐きだせるか(1秒率)を調べたりします。
この検査が、肺気腫や間質性肺炎、肺線維症などの疾患の指標となったり、手術時に適切な呼吸機能を有しているかの評価をすることができます。

脳神経系検査

脳波検査

脳が活動する際には、脳の中に微弱な電気が流れます。脳波とは、その電気の波を頭皮上に装着した電極より記録し、大脳の活動状態を調べる検査です。CT・MRIなどで得られない脳の機能を捉えることができます。安静時の脳波とともに、医師の指示があった場合はさまざまな賦活(閉眼、閃光、過呼吸などの刺激)を与えて、脳波を測定します。てんかん・意識障害・痙攣発作などの場合に検査します。

検査を受けられる患者様へ

検査時間に1時間以上かかるため、お手洗いは事前に済ませておいてください。
検査前日はよく洗髪し、整髪料はつけないようにしてください。
髪ゴムやヘアピン、ピアスなどははずして検査を行います。

聴性脳幹反応[ABR]

音の刺激に対して、聴神経から大脳皮質の聴覚中枢に至るまでの聴覚伝導路、あるいはこれらに関連のある部位から生じる電位変動を調べます。頭皮上もしくは耳朶(耳たぶ)から記録します。脳幹に障害を受けた場合の脳幹機能の予後の評価、脳死判定などに用いられるほか、新生児など、通常行われる聴力検査が不可能な場合に聴力機能を評価する際に行われます。検査時間は30~60分です。

検査を受けられる患者様へ

検査前日はなるべく洗髪し、検査当日、整髪料はなるべくつけないでください。
お食事、お薬は通常通り服用していただいて構いません。
耳朶(耳たぶ)を使って検査しますので、ピアスやイヤリングは外してください。
検査中は、目をつぶり安静にしてください。

エレクロトニューログラフィー[ENoG]

ENoGは、顔面神経麻痺の疑いのある患者様に行う検査です。
顔面神経を電気刺激して得られた筋電位の振幅を正常側と麻痺のある側で比較し、その比率により障害の程度を判定します。耳の下あたりを電気で刺激しますので、チクッとした痛みを伴うことがあります。検査時間は15分程度です。

終夜睡眠ポリグラフィー検査[PSG]

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、その結果いびきや日中の眠気等の種々の症状を呈する疾患の総称です。睡眠中におこるため、自覚症状がなく、周りの人に指摘され来院する患者様がほとんどです。呼吸が止まっている間、体の中では低酸素の状態になり、頭にも酸素が十分運ばれないため、脳が休めず、浅い眠りしか得られません。
終夜睡眠ポリグラフィー検査[PSG]は、睡眠中の呼吸状態に加え、脳の睡眠状態を調べる検査です。夜間の睡眠状態を調べますので、入院して検査をします。睡眠時無呼吸症候群のほかに、同疾患に合併する「むずむず足症候群」や「ぴくぴく足症候群」なども評価することができます。
検査時間は、検査の説明とモニター類の装着で60~90分程度、記録時間は6~9時間前後となります。

検査を受けられる患者様へ

検査の際は、化粧・整髪剤・マニキュアなどを完全に落としてください。

その他の検査

皮膚組織灌流圧検査[SPP]

皮膚組織灌流圧検査(SPP:Skin Perfusion Pressure)検査は、皮膚の表面の小さな血管の中の血液の流れを見る検査です。動脈硬化が起きると、血管が狭くなり血液の流れが悪くなります。そうすると、栄養が行き届きにくくなるため傷が治りにくいため、時に難治性の潰瘍になることがあります。この検査によって、どのような治療が、どの程度必要になるかが分かります。治療後の評価や経過観察にもこの検査は使われます。検査時間はおよそ30分です。

血圧脈波検査[ABI, CAVI]

血圧脈波検査(ABI, CAVI)は、血管の硬さや詰まり具合を測定し動脈硬化の程度を調べる検査です。左右の上腕部・左右の足首にカフ(ベルト)を装着し、手と足の血圧を同時に計測して検査します。検査時間は5~10分程度です。

心肺運動負荷試験[CPX]

心肺運動負荷試験[CPX]は、運動をして心臓に負荷がかかった際に現れる胸痛・動悸・息切れなどの症状を再現し、その時の心電図変化と血圧の変化をみて運動中の心臓の状態を調べることで狭心症や不整脈の診断を行う検査です。この検査により、心臓、肺、筋肉を含めた身体能力を測定し、心不全の程度を評価したり、安全な運動療法を行うための適切な運動の強さや、どの程度運動を楽しむことができるかを知ることができる検査です。医師や臨床検査技師の管理のもと検査を行いますので、安心して検査をお受けください。

中央検査部

0877-23-3111 初診 8:15-11:00
再診 8:15-11:30
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