災害拠点病院とは、災害発生時に災害医療を行う医療機関の支援を行う病院のことです。
災害拠点病院は、都道府県が指定し、二次医療圏※1ごとに原則1カ所以上に整備されています。
香川労災病院は、平成25年(2013年)4月1日に災害拠点病院に指定されました。
香川労災病院は「DMAT指定病院」に位置づけられています。
DMAT(ディーマット)とは、災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの頭文字をとった略称です。「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されています。
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成された専門的な訓練を受けた医療チームです。隊員は外傷を中心とした、災害に特色のある疾患のトレーニングを受けています。
大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場で、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持っています。
DMATを3チームを有しています(全15名の隊員)。
医師 | 3名 |
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看護師 | 8名 |
調整員 | 4名 |
1チームは基本、医師1名、看護師2名、調整員1名で出動します。
災害発生時は患者が急激に増加するために、人や物といった「医療資源」が不足します。
医療機関のBCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)に沿って医療体制を早急に復旧させて、より多くの人の命を救うことが求められます。DMATは全国から被災地に応援にかけつけ、医療資源を増強する役割を担っています。
DMATは、被災地の都道府県からの派遣要請に基づき活動を行います。
全国のどこかで大規模な災害が起きたときには、病院の被災状況や稼働状況を提供するウェブサイト「広域災害救急医療情報システム」(EMIS Emergency Medical Infoemation System)を確認し、出動の準備を進めます。
災害医療に備えて、当院では定期的に災害対応訓練を行っています。
DMAT四国ブロックの実働訓練、香川県総合防災訓練、高松空港総合防災訓練など、香川県や四国の医療機関が合同で訓練を行います。また、警察、消防隊、自衛隊などさまざまな機関との連携も図っています。
設立以降、地震や豪雨において当院のDMATの派遣を行ってきました。
全国から集まるDMATは、まず対策本部に向かい活動内容の指示を受けます。
対策本部は被災状況や各地の隊員の配置情報を把握し、必要な場所に適切な人員を手配し、迅速で効果的な災害医療につなげる役割を担います。熊本地震災害において、当院のDMATは対策本部を担当しました。
被災地で治療が困難な場合は、治療を行うために患者を被災地以外の病院に搬送する場合があります。
九州豪雨災害では、人吉市から熊本市の病院への患者の搬送を担当しました。
災害拠点病院の支援は、被災地でのDMATの基本的な任務です。災害拠点病院にて夜間診療や救急外来の対応を担当しました。