新着情報

患者様向け

厚生労働省からの要請により、新型コロナ感染症に対応する看護師の派遣を行いました(第2回)

令和3年9月1日から15日までの間、厚生労働省からの要請により、当院看護師が沖縄県の入院待機ステーションに派遣されました。

派遣された看護師から以下のとおり活動報告がありましたので、ご報告いたします。

 

沖縄県入院待機ステーション 派遣看護師としての活動報告

東3病棟 看護師長補佐 網野祐子

 

厚生労働省からの要請により、新型コロナウイルス感染症患者の対応のため2021年9月1日から15日までの2週間、沖縄県の入院待機ステーションで派遣看護師として活動にあたりましたので報告させていただきます。

沖縄県における新型コロナ感染症の猛威は災害に等しい状況で、医療提供体制がひっ迫し自宅療養者は増加し続け、医療の目が届かず病状の悪化に対する対応が必要な状況でした。そのため、2カ所目の入院待機ステーションが新たに沖縄市に開設され、私はこの入院待機ステーション稼働初日より活動することができました。

今回開設された入院待機ステーションでは、酸素投与の方法として酸素濃縮器ではなく、酸素供給ユニットを全国初で導入しており、安定した酸素流量を停電時でも供給できる環境でした。

入院待機ステーションは「トリアージ」「サポート」「バッファー」この3つの機能で医療体制の負担を軽減させ、救急医療を護ることを目的に運営されています。トリアージ機能とは、緊急入院が必要な患者を選別し、簡便な診療処置によって入院適応がなくなった人を自宅に帰すことです。サポート機能とは、入院待機ステーションでの安定化処置によって入院までの時間を確保すること、そしてバッファー機能とは、患者受け入れ先の負担を軽減することです。

入院待機ステーションでは、夜間に新たな新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるべく、日中は症状が悪化した患者を医療機関へ送り、症状が改善すると自宅へ送り届けました。24時間体制で、医師・看護師・事務職員が2交代制で勤務にあたり、レッドゾーンにはガウンやN95マスクなどの感染防護具を装着し、2時間ごとに交代で入りました。

患者を受け入れ、バイタルサインを測定し、医師の指示のもと酸素投与・点滴・内服介助を行い、排泄介助・不安を訴える患者の精神的なケアを行いました。また、自宅や宿泊施設からステーションまでの搬送や、病院への搬送に同乗し、患者のトリアージとともに酸素投与を行うことも業務の1つでした。

私も、患者を自宅まで迎えに行き、酸素飽和度の値と症状から、患者の状態をアセスメントし、医師へ状態を報告しながら車内から酸素投与を開始し、ステーションまで搬送しました。入所後、酸素投与などの処置を行いましたが、酸素飽和度が保たれず病院へ救急搬送となった事例もありました。患者接触時のトリアージを含め、入所後の急変予測を早期に見極めることの重要性を実感しました。

入院待機ステーションは一時的に開設された施設であり、医療機関とは違い限られた人材と資源のなか運営されていました。スタッフは近隣の急性期病院の医師・看護師・看護大学教員・DMAT・県職員・派遣看護師など多施設から集まっていました。人間関係の構築が十分でない段階での環境下でも、毎日のミーティングと、確実な申し送りを行い、1人1人がお互いを尊重し円滑なコミュニケーションを図りました。

私を含め同時期に派遣として活動した看護師は3名でしたが、現地スタッフの方々の配慮もあり、お互いの協力のもと2週間無事に活動することができました。現地スタッフの方々や、活動中お世話になった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。入院待機ステーションで勤務できたことは、私にとって貴重な経験となりました。これからも、新型コロナウイルス感染の終息を願いながら、今回の学びを当院での業務に活かしたいと思います。

 

入院待機ステーション外観

レッドゾーン

酸素配管とモニター

0877-23-3111 初診 8:15-11:00
再診 8:15-11:30
お問い合わせ