320列CT(Canon Aquilion ONE)を導入しました(2020年12月)
Aquilion ONE導入により・・
1)患者さまへの負担が少なくなりました
・0.5mmの検出器を320列配置することにより1回転(最速0.275秒)で16cm幅の範囲を撮影可能です。寝台の移動なく心臓や脳を1回転で撮影することが可能で、心拍などの影響によるブレの軽減にもつながります。
・頭部撮影では1回転で撮影できるため短時間での撮影が可能となりました。
・胸部から骨盤部までのような広範囲の撮影が4秒弱で撮影できるため息止め時間が短くなります。
・装置のガントリ開口径(ドーナツの穴の部分)が78cmと大きくなり、検査時の体制にゆとりができ、狭いところが苦手な方でも安心して検査を受けることができます。
2)画像処理速度が速くなり、撮影後の待ち時間が短くなりました
3)被ばく線量が低減されました
・新世代プラットフォームガントリのX線光学系技術である”PURE ViSION Optics”を搭載し、以前のCT装置から約40%被ばく線量を減らすことが可能となりました。
4)画質が向上しました
・従来の画像処理方法FBP(filtered back projection)に加え、新たな画像処理方法であるFIRST(Full Iterative Reconstruction)やAI技術を応用した画像再構成技術AiCE(Advanced intelligent Clear-IQ Engine)によって空間分解能を維持したままノイズ信号を選択的に除去でき、画質が向上しています。
5)心臓CTについて
・高分解能で被ばくの低減が可能になりました。スキャン速度が0.275秒と速くなったためブレの少ない画像が得られ、不整脈の方の検査や、評価が難しかった石灰化・ステントの評価も期待できます。
6)頭部CTについて
・16cm幅を1回転で撮影でき、1秒以下の短時間での撮影が可能となりました。
7)造影検査におけるDyVS(Dynamic Volume Scan)
・造影剤を注入しながら寝台移動をせずに同じ部位を経時的に繰り返し撮影することで4D(3次元+時間軸)の血流動態情報を得ることが可能となりました。この機能と専用のWS(ワークステーション)により、早期の脳梗塞の治療に必要な情報であるペナンブラ(早期に血流が再開すれば助かる領域)を評価することが可能となりました。当院は血栓回収療法(血管内治療)を行える施設であり、治療方針の決定に役立つ検査になると思います。
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